看護学校の入学から卒業までをご紹介!

看護学生スタートガイド

看護学校では、知識や技術を段階的に習得できるようなカリキュラムが設定されています。たとえば難しい方程式を解くためには、まず足し算・引き算・掛け算・割り算を習得して等式の性質を理解し、必要な公式を覚えていなければなりません。看護学校もそれと同じで、1年生で学ぶ知識を土台にして、2・3年生でより専門的な知識を積み重ねて習得していくことになります。つまり、土台となる知識があいまいだとその後の内容が十分に理解できないのです。各学年で何を習得しておくことが望ましいのか、前もって大まかに押さえておきましょう!

この記事では3年過程の看護学校を想定しています。大学の場合は、ほぼ1・2年生が本記事の1年生、3年生が2年生、4年生が3年生に相当するとお考え下さい。

看護学校入学から卒業までの学習内容をご紹介!

1年生:からだのしくみ、病気や薬の基礎、基本的な援助(体を拭く、シーツの交換など)の方法を学ぶ

皆さんはなぜ息ができるのか、血液が全身を巡っているのかなどを考えたことはありますか?看護を学ぶには、まずこのような基本的な体の構造と機能(解剖生理学)を知る必要があります。また同様に病気のしくみ(病理学総論)病気に効く薬(薬理学)がわからないと看護はできません。また、看護の基本的な技術(基礎看護技術)として、からだを拭く、シーツを交換するなど生活に関わる基本的な援助(日常生活援助)や、血圧や脈拍などの測定法と測定値の解釈などを中心に学びます。このように、基本的な知識や技術を身につけることが求められます。

さらに看護師は様々な年代・生活背景の方を看護するため、それらの理解を深めるための教養科目もあります。また、社会のしくみや現状(統計や法律、社会保障)についても学びます。

教室での学習と並行して、短期間の実習(病院見学やコミュニケーションを実施)にも行きます。

2年生:患者さんの年代や状態、生活背景など様々なケースに応じた看護を学び、本格的な実習もスタート

1年次はどの患者さんにも共通するような看護の基礎を学ぶのに対して、2年次には一人ひとりの患者さんの年代や病状による違いと、それぞれに応じた治療・看護を学びます。(たとえば、成人看護学の循環器では、その疾患の特徴と病態、治療、看護を学ぶ)習得する援助(看護技術)も、1年時に習得した技術の応用となり、点滴をしている患者さんの寝間着の交換や麻痺のある患者さんの車椅子への移動の介助といった難しい条件が加わります。また、秋・冬からは約8か月にわたる臨地実習で、様々な領域の患者さんの看護、すなわち成人・老年(高齢者)・小児・母性・精神・在宅看護などを経験します。

3年生:実習で経験を積み、就職試験・国家試験で合格を目指す

いよいよ最終学年、これまで学んできた知識・技術・経験の集大成となる年です。2年次に始まった臨地実習は夏・秋ごろまで続き、登校日には学校で授業を受けます。それらと並行して4月ごろから就職試験が始まります。また、2年次の実習とは別に最後の総まとめに当たる実習(看護師長の役割やチーム医療、夜勤などを統合的に学ぶ)、看護研究(卒業研究)などもあり、大忙しの1年間となります。2月半ばには看護師国家試験があるので、秋・冬は試験対策に費やすことになります。

1年生で学ぶ内容を少し詳しくみてみよう

3年間の大まかな流れがわかったところで、1年生がどんなことを学ぶのか、もう少し細かくみていきましょう。多くの学校に共通する学習の流れをまとめていますが、実際のカリキュラムや学習内容の表現は学校によって異なるため、気になったところがあれば看護学校に問い合わせてみてください。

前期(4月から9月)

  • からだのしくみ(解剖生理学)
  • 基本的な援助(日常生活援助)、基本的な健康状態の測定
  • 看護の歴史や理論、役割(看護学概論)
  • 教養科目(心理学、コミュニケーション論、倫理学、社会学、看護情報学、英語、体育など)

後期(10月から3月)

  • 病気・薬のこと(病理学・病態生理学、薬理学、微生物学)
  • 様々な患者さんの看護における基礎知識(成人看護学概論、老年看護学概論、小児看護学概論、母性看護が嗽論、精神看護学概論、在宅看護概論)
  • 統計や法律(公衆衛生学、関係法規、社会福祉)
夏休み、冬休み、春休みなどの長期休暇を活用し、テストや技術試験対策、実習に向けた準備をすすめよう!

前期・後期の終わりには、これまでの授業のテストや技術試験、実習の準備などが重なって忙しくなります。長期休暇の際、ほとんどのみなさんが“遊ぶ”ことを考えると思います。限られた時間に好きなことをしてリラックスをすることは重要です。でも、せっかく看護学生になったのですから、長期休暇中に行っておくとよいことを頑張ってみましょう。

  • 復習して、苦手分野を克服する
  • 家族に協力してもらって看護技術の練習をする

などです。また、

  • 病院見学やインターンシップ(就職活動として参加する職場体験)に参加する

など、就職を見据えて情報収集するのもよいと思います。

実習等が始まると、看護学生の学校生活はとても忙しくなります。あっという間に1年が過ぎ、2年生、3年生になってしまいます。少し先を見越して、計画的に学校生活が送れると良いですね。

 

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