みなさんは、患者さんにケアを行ったあと、看護師さんにすみやかに報告できていますか?
ケアすることに全力を注いでしまい(患者さんに誠実に向き合い、自分のもてる力で精一杯ケアをした証拠でもありますね。)報告を簡単に終わらせていませんか?
行ったケア、ケアを受けた患者さんの反応など、つぎに関わる看護師さんに正確に報告することが、チームで一貫したケアを提供することにつながります。患者さんのいつもの状態を把握し、いつもと違う様子にいち早く気づくためにも、ケア後の報告を大切にしましょう。
患者さんにケアを行った場合、看護師さんへの報告内容をどのようにまとめたらよいのか、6つのポイントをおさえるとよいでしょう。
- いつ
- 誰に
- なんの目的で
- どのようなケアを実施したのか(だれと、どこで、どのような方法でケアを行ったのか)
- そのケアを実施したときに観察した患者さんの様子
- ケア後の患者さんの反応・状態の変化
まず①いつ、②誰に、③なんの目的で、④どのようなケアを実施したのかについて報告し、次に⑤そのケアを実施したときに観察した患者さんの様子、⑥ケア後の患者さんの反応・状態の変化について報告します。
実施したケアの報告は、見ていない看護師さんにも、教員にも、ケアを実施している様子が思い描けるように、より具体的に伝えるとよいです。
〇号室のAさん②が、入浴できず、趾間部のかゆみを訴えていました。また、両下肢の冷感を訴えていた③ため足浴を行ったことを報告します。
ケアは、バイタルサイン測定後①、教員と一緒にAさんのお部屋のベッドサイドに車椅子を置き、座っていただいて足浴④を行いました。
両足とも冷感があり、皮膚は白かったです。皮膚は乾燥していましたが、発赤や傷などはみられませんでした。足浴中に足が温まってきて、皮膚が赤みを帯びてきました。足浴後、Aさんは「気持ち良かった。趾間部のかゆみはなくなった。」とおしゃっていました。足浴後、ベッドに横になっていただきましたが、気分不良の訴えもありませんでした⑤。
〇号室のBさん②は、今日、久しぶりにご家族の面会がある③そうです。手術後まだ洗髪していないため、髪型が整っていないことと、かゆみを気にされていました。③
そのため洗髪を行ったことを報告します。
ケアは、バイタルサイン測定後、疼痛がコントロールされていることを確認し①、教員と一緒に浴室の洗髪台で椅子に座っていただいて洗髪④を行いました。
頭皮に少量のフケがありにおいましたが、発赤や傷はありませんでした。前屈していただきましたが、創部痛の出現はみられませんでした。洗髪中に頭髪が少量抜けましたが、問題となるほどの量ではありませんでした。洗髪後に頭皮のフケやにおいはなくなり、Bさんは「さっぱりした。かゆみもなくなった。」とおしゃっていました。Bさんの希望を確認しながら整髪をしましたが、満足そうな様子でした。創部痛や気分不良の訴えもありませんでしたが、軽度の疲労感を訴えたため、面会時間までベッドに横になっていただきました⑤。
どんな目的でケアを実施したのか。ケアを実施したことによって目的は達成できたのか、できなかったのかを6つのポイントを確認しながら報告しましょう。
- いつ
- 誰に
- なんの目的で
- どのようなケアを実施したのか(だれと、どこで、どのような方法でケアを行ったのか)
- そのケアを実施したときに観察した患者さんの様子
- ケア後の患者さんの反応・状態の変化
順番どおりに報告できなくても大丈夫です。言い忘れた項目は、後で付け加えましょう。
目的が達成できなかった場合は、次回はどのように実施していきたいのか、自分の考えを伝えることができるとGoodですね。
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